職業訓練やスクール卒業生は採用されない?

職業訓練やスクール卒業生は採用されない?
2020年4月27日

こばやす(@kobayas_s)です。
YoutubeでLIVE配信(こばラジオ)を始める事にしたので、唐突ではありますがtwitterでお悩み相談を募集したところ沢山の投書を頂きました。ありがとうございます!

配信でも話した内容ではありますが、伝えきれなかった事もあったので加筆修正して記事にまとめていく事にしました。
こばラジオについてはAboutで詳細を記載しているので、気になる方は見てみてください。

まず第一弾として「職業訓練やスクールを卒業したWebデザイナー志望は採用されない?」という質問に答えていきたいと思います。

職業訓練とは?

まず、職業訓練を知らない人もいるので概要を説明します。
職業訓練とは簡単に言うと、仕事を辞めた人が受講できる短期間(3~6ヶ月くらい)の学校です。

職業訓練を受けるメリット

・ハローワーク管轄で国が支援しているものなので、テキスト代以外の授業料がかからない

・雇用保険に入っている人(社会保険の中に含まれて毎月引かれているもの)はお金を貰いながら受講できる講座もある

このように金銭的に余裕がない人にとっては大変ありがたい講座です。
詳しくは「ハローワーク、職業訓練」で検索してみると沢山出てくるので探してみてください。

スクールと職業訓練の授業レベルは違うのか

場所にもよりますが、私が見る限りは大体同レベルだと感じています。

ただ、スクールはお金をかけている分、通う施設が充実していたり(Adobeが入っているPCを使って自主学習が出来るスペースがあるなど)、その道で有名な講師がいるなどの質が高い所もあります。

職業訓練はさっき言ったようなお財布に優しいというメリットが大きいので希望する人が多く、倍率がめちゃくちゃ高いです。

デメリットとしては、受講資格を得るための試験(筆記と面接)に合格しないと受けられなかったり、失業期間中に必ず開講されるとは限らないので注意が必要です。

こばやす
こばやす

もし利用したいと考えている方がいましたら、開講の情報はハローワークで得ることが出来るので日程を確認しておき、退職日を調整するなど計画的に行きましょう…!

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スクール卒業生が採用されない問題

さて、ようやく本題。
巷で噂になっている「スクール卒業生は採用されない、活躍しにくい」問題を考えていきます。
私が会社員で採用担当者をしていた時に経営者や上司から聞いた意見になりますが、大きく分けて3つ要因があります。

原因1:スクールに通って安心してしまう

「スクールに入学して授業を受けた事」に安心してしまい、その後スキルアップの努力をしなくなってしまう人がいます。
スクールではWebサイトを作るために必要な知識を一方的に与えてくれますが、それを吸収して自分のものにするためには自分で手を動かし作品を作りながら学んでいく必要があります。

原因2:卒業すれば必ずWebデザイナーになれると勘違い

スクールに通った経験を実績にカウントして「卒業したからWebデザイナーになれる資格が与えられた」と勘違いしてしまう人もいます。
スクールはあくまでWebサイトを作るための「基礎知識」を学習する所であって、きっかけでしかありません。
スクールを卒業した後、Webデザイナーとして働く事を見据えてどう行動したら良いかを考えていきましょう。

原因3:教えて貰うのが当然。受け身の姿勢になっている

これは実際にある話で、何でもかんでも先輩に聞いて自分では調べようとしない人がいます。
先輩は忙しい合間に教えていて時間が惜しいので、あまりに受け身な後輩と認定されると「その人が出来るレベルの仕事」しか渡さなくなります。
そうするといつまで経っても重要な仕事が任されず、成長する機会も失うことになってしまいます。
こうならないためにまずは自分で調べてから、本当に分からない部分に絞って聞いていくようにしたいですね。

採用面接でも受け身の姿勢はバレてしまうので、気を付けたいところです。

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どういう人が採用されやすいのか

先ほどお話ししたようなことで採用されにくい状況に立たされてしまうスクール卒業生ですが、「スクール卒業生だから採用されない」というわけではありません。
では採用される人というのは何が違うのでしょうか。

例えば、同じスクールに通った生徒Aさん、Bさん、Cさんがいたとします。
この3人が1つの同じ企業に応募して、ポートフォリオ(Webサイトの作品集)を提出することになりました。

まず、Aさんは「スクールで与えられた課題だけ」を作品集にまとめて提出しました。
Bさんは「スクールで与えられた課題を自分なりに考え、写真を差し替える、文章を一部変更」してブラッシュアップして提出しました。
Cさんは「スクールで与えられた課題の他に、習った技術を使って違うジャンルのWebサイトを作ったもの」を添付して提出しました。(例えばスクールの課題がパン屋のサイトなら、美容院のサイトを作るなど)

さて、この中で一人だけ採用するとしたら誰を採用するでしょう?

私の今までの経験ではCさんのような人が多く採用されてきました。
何故かというと「習得した技術を使って守破離を実行していて、即戦力になりうる素質を持っている」と感じるからです。

守破離というのは、日本の武道とかによくある「修行で成長していく過程」を表現する言葉なんですが、

:教えられた事を守って表現する

:守の段階で表現した事をアレンジをする

:守、破でやってきた事を自分なりに考え、新たな価値に変換する

これらの3点セットが出来て初めて、初心者を脱した人になれます。
今回の例で3人に当てはめると

:スクールで与えられた課題で表現(全員出来ている)

:スクールの課題をアレンジする(Bさん、Cさんは出来ている)

:新しいWebサイトを作る(Cさんのみ出来ている)

という風になります。
残念ながら会社は非常に少ない技術者で制作をしている所が多いので、育成に力を入れる事がし辛い環境です。(1つの制作会社で5人居れば多い方)
なので、即戦力になるための素質としてCさんのような人を選びがちです。

採用される人になるために出来る事

とはいえ、初心者からそこまで行くまでに挫折する人が多い事も事実。
何とかして齧りつきたいと思う人の気持ちも分かるので、ハードルを下げるための方法をお教えします。

その1:アルバイトをする

Cさんまでのスキルまではないけど、Bさんくらいの事なら出来るかな…と言う人はアルバイトを狙ってみるのをオススメしています。
どの会社も超忙しい現場が多いので、補助的にバナーを作ったり、先輩の作ったページの修正をしたりするアシスタントとして潜り混む事が出来ます。

近くで先輩の作業風景が見られるので、お金を貰いながら即戦力としてレベルアップすることが出来ますし、あわよくば正社員として採用される事もあります。

こばやす
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私もアルバイトからのスタートでした!
こばラジオの小話でお話ししてるので良かったら聞いてみてね!

その2:クラウドソージングのコンペに挑戦してみる

クラウドワークスランサーズなどでは「コンペ」と呼ばれるお仕事の仕方があります。
この形式では、まず仕事をしたいデザイナーが依頼人の提示した条件でデザインを制作をします。その後依頼人が気に入った案を購入するというものです。
ここで選ばれればお仕事に繋がるきっかけ作りになりますし、別に採用されなくてもそれをポートフォリオに載せる事も出来るのがメリット。(提供素材がある場合は著作権の問題があるので、それを差し替えて掲載した方が良いですが)

いずれにしても、スクール以外で色々行動、検証してみて、自分の能力をレベルアップさせていく事が一番採用への近道ですね。

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